2018年11月10日土曜日

「天」という字は「アマ」と読め

 古事記、日本書紀における「天」という字は「アマ」と読むべきである。

 古事記の冒頭に、高天原タカアマハラと天之御中主神アマノミナカヌシノカミが出現し、その脚注に、「高の下の天はアマと云う。以下、これにならえ」とある。

 高天原は、地名であり、アマという領域を表している。
 天之御中主神は、その領域の中心に存在し、その領域を治める王という意味であり、当然、天の字はアマと読むべきであろう。
 ところが、後世の歴史学者はこぞってアメと読んでいるのはどういう訳であろう。
 アマ出身或いはアマに関係のある人物の接頭語に天という字が付けられるのは当然のことであり、古事記・日本書紀に登場する神や人物で、接頭語に天という字が付けてあれば、これらは全てアマと読むべきであろう。

 では、「アマ」とは何処の地域を指すのであろうか。
 アマとは、敬天思想を持つ大陸系のアマ族の居る国である。
 具体的にはンマ(馬韓)、ミム(弁韓)及びシンル(辰韓)の総称であり、当初、その中心地はンマであったのでアマ(天)という名がつけられた。
 決して、天空にあるという空想上の領域ではない
 特に太陽を敬ったので、「鮮=日」という語音(字)を大切にした。
 即ち、高天原タカアマハラとは、かつて、天照大神アマテラスオオカミが治めていたアマ氏族の国のことであり、大和朝廷にとっては、ギリシャ神話のオリンポス山に相当する聖地である。
 しかし、大和朝廷において記紀を編纂していた時代には、朝鮮半島南部地域は、既に、大和朝廷とは無関係の他国になっている為、記紀ではアマもタカアマハラも、その国の場所を曖昧にして表現してある。

 唐突に朝鮮半島が出現してとまどう人も多いと思います
 しかし、7世紀まで繰り返された、朝鮮半島との大きな関わりを、「何故だろう」と疑問に思わない人が居たなら、それはそれで仕様がないと思うが、想像力・分析力・総合力の不足を反省して頂くしかない。
 古事記・日本書紀に記述されている「外交」「出兵」に関する記事だけを抽出し、繰り返し読み合わせると、古代に於いては、朝鮮半島と日本列島との関連が、単に中国との外交の経由地以上に大きな意味を持っていることが判明するのではないでしょうか。
 即ち、伊邪那岐尊イザナキノミコトや天照大神アマテラスオオカミが活躍した時期、朝鮮半島南半部と日本列島西半部は、一体化されていたと考えなければ、つじつまが合わなくなるのです。

 その後、紀元前57年に「新羅」が独立し、紀元前18年に「百済」が独立して、それ以降は、「倭国」の直轄地が「任那」のみとなったのです。
 その任那を新羅の侵略から護る為、倭国は、なんと、7世紀まで戦い続けたのです。

 今や、パソコンが駆使される時代です。
 古文書の文章の取り込みなどは簡単に出来ます。
 取り込んだ文書の整理も簡単です。検索も容易です。
 問題は、古文書を入手する熱意の有無だと思います。
 古事記・日本書紀は勿論、中国の古史書の「日本」に関連する記事などは、「岩波書店」が要領よくまとめておいてくれました。
 「古田武彦氏」の諸論文を含めても、2~3万円も奮発すれば、全て手に入る世の中です。
 本居宣長や新井白石の時代には考えられない程、情報が得やすい世の中です。
 勉強しましょう。